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宇都宮市のホームページに、「住民投票って、どんなもの?」というページがあります。住民投票について参考になる内容ですので、こちらに転載いたします。
・記事元 宇都宮市ホームページ 
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/index.html

・・・・・・・・・・・記事はここから・・・・・・・・
さつきちゃん

 博士、このところ、新聞などで「住民投票」という言葉が目立つような気がするんですけど、これってどんなものなんですか?
大いちょう博士
 そうだね。全国で市町村合併に向けた動きが急ピッチで進んでいるから、住民投票も多く見受けられるんだね。

さつきちゃん
 合併と住民投票って、何か関係があるんですか?
大いちょう博士
 それを説明する前に、住民投票のことについて教えてあげよう。
 まちづくりの中で、市役所はいろいろなことをやっているよね。道路や施設を作ったり、さまざまなサービスをしたり、それぞれ制度に基づいて行っているんだけど、新たに何かしようとする場合などには、やるかやらないかを決めなければいけないよね。

さつきちゃん
 そうね。決まりに従ってやっているものはともかくとして、何かを判断しなけりゃいけないというときには、どうやって決めるのかしら。
大いちょう博士
 市役所では、その事業について十分に調査するし、市民の意見を代表する立場の市議会でも十分に検討して、予算を立てたり、新たな決まりをつくったりするんだ。
さつきちゃん
 では、なぜ、住民投票が必要なのかしら?
大いちょう博士
 市民にとても係わりの深い問題については、そこに住む市民自身が賛成か反対かを直接訴える方法も必要なのじゃないかな。でないと、調査したり検討したりという場にいない住民の生の声を伝えるのに不十分だと思うよ。
 さつきちゃんのクラスでも同じようなことがあるんじゃないかな?

さつきちゃん
 ええ?そうですか?
大いちょう博士
 例えば、クラスには、委員とか係とかがいるよね。その人が、勝手にあれこれと決めちゃったら、みんな困ったことにならないかな?

さつきちゃん
 そうね。普段やっていることだったらいいけれど、クラスのみんなに関係するような大きなことだったら、ホームルームで話し合ったりして、多数決で決めることが多いわ。
大いちょう博士
 委員や係も、よく考えて決めようとしているんだろうけれど、やっぱり、みんなも意見を言いたいよね。まちづくりにも同じような仕組みが必要なんじゃないかな。それが、住民投票という仕組みなんだ。

さつきちゃん
 じゃあ、市民の生の声を伝えるにはどうしたらいいんですか?学校だったら、ホームルームがあるからいいけ
ど。
大いちょう博士
 住民投票を行うには、そのたびに、住民投票条例という決まりをつくらなければならないんだ。その条例は、議員や市長が議会に提案して決めるんだよ。
 一方、住民(有権者)の50分の1の署名があれば、住民が直接、条例づくりを求めることもできるんだ。

さつきちゃん
 署名が必要なのね。だから、その地域にすむ人たちにとって、とても係わりが深いことだとか、関心の高いことがあると、住民投票になる場合も増えるということなのね。
大いちょう博士
 そのとおり。これまでの各地の住民投票の様子を見ても、市町村の合併や原子力発電所、廃棄物処分場の建設など、人々の生活に大きく関わることについての事例が多かったようだね。

さつきちゃん
 そうか。各地で合併の動きが盛んになっているっていうことは、それだけ住民投票のケースも増えるということなのね。ところで、署名が集まった後はどうなるのかしら?
大いちょう博士
 住民からの住民投票の求めがあったからといって、すぐに、投票が行われるというわけではないんだ。さっきも言ったように、住民投票をするための条例が必要だから、住民からの求めがあったら、その内容を議会で判断して条例ができてから、いよいよ投票をするという順番になるんだよ。

さつきちゃん
 何もかも、求めがあったから、すぐに住民投票になるとは限らないってことなのね。
大いちょう博士
 そうなんだ。さらに、たとえ条例ができて、住民投票で賛否を聞いて、その結果が出たとしても、法律では、必ずしもそれに従わなくてもいいことになっているんだ。つまり、住民投票は、あくまでも、そこに住む住民の皆さんの意見を広く聞くという目的なんだね。

さつきちゃん
 じゃあ、署名が集まっても、投票になるかどうかわからないってことだし、たとえ投票の結果が出てもそのとおりにならないなんて、何もならないような気がするわ。
大いちょう博士
 さつきちゃんが心配するとおりだね。結果に従わなくてもよいことになっているといっても、多くの住民が願っているということなのだから、行政も、この結果を尊重して判断しなければいけないということだね。これまでも、住民投票の結果、反対意見が多かったために、公共事業を中止したなんてことも結構あるんだよ

さつきちゃん
 ああ、よかった。ほっとしたわ。クラスのみんながホームルームで話し合おうっていっても、話し合いしちゃいけないってことになったらイヤだし、多数決をとって結果が出ても、それを無視されるのも変だものね。
大いちょう博士
 また、合併の話になるけれど、合併の住民投票については法律でやり方が定められているんだ。市町村が合併を進めるときには、合併協議会という組織が必要なんだけど、住民(有権者)の50分の1の署名で、合併協議会をつくることを求めたとするね。それを議会が否決したときは、その後、住民(有権者)の6分の1の署名が集まれば、住民投票を行うことができるし、その投票で賛成者が過半数になると、合併協議会をつくることを議会で議決したと同じということになる。

さつきちゃん
 市町村の合併は、住民にとって、とても重要な問題だから、法律によって住民投票の方法が決められているのね。
 ところで、宇都宮市でも住民投票の動きはあるのかしら?
大いちょう博士
 宇都宮市ではないけれど、近くの町でも、住民投票の動きが出ているようだね。
 例えば、昨年(平成15年)の秋には、南河内町の町長から合併についての住民投票の請求があったんだ。隣接する石橋町・国分寺町との3町で合併を目指すか、それとも、宇都宮市との合併を考えるか、それを町民に聞くということだったんだけど、投票結果は、3町合併が過半数を超えたんだ。
 また、今年(平成16年)になってから、高根沢町でも、宇都宮市との合併を考えるかどうかということについて、住民投票に向けた動きが出てきたようだね。

さつきちゃん
 平成の大合併って言われているけれど、住民投票に向けての動きが多くなるとも言えるのね。それも、自分たちの住むまちのことを自分たちが考えていきたいっていう気持ちが表れているってことよね。博士、ありがとうございました。

宇都宮市ホームページ http://goo.gl/qyRoMd

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